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園長ブログ

GPSと相対論とスマホ

2019-04-14
昨日は、ブラックホール撮影成功のニュースの話から、ブラックホールの存在を予言したアインシュタインの相対性理論の話、さらには現代のGPSに相対論が活用されているお話をしました。
 
ここで、科学的感性が鋭い方は気が付かれたかもしれません。「同じ地球上でも緯度によって、地球の自転の影響が違うから、これも計算に入れないとあかんのでは?」
 
まさにその通り。北極や南極など極地方は、地球の自転による運動速度はほとんどゼロだけど、赤道付近は時速1,675km(※)で東に向かって動いています。南北極点で時速0キロ、赤道で時速1,675キロ。その間の地域は、緯度に応じて大地が東へ動く速度が決まる。当然この運動速度によっても、特殊相対論効果による時間の進行速度の差は発生します。
 
実は、この差の補正は、各自の端末内で行われているようです。皆様のスマホの中でです!だいたいの位置情報によって緯度はわかるので、すぐさま地球の自転によるその場所の運動速度を算出して、特殊相対論の方程式を利用して補正をして、より正しい位置情報を出したり、誤差の蓄積を防いだりしているのです。
 
アインシュタインの相対性理論は、地球から5500万光年離れた宇宙の巨大ブラックホールの謎の解明に役立つとともに、あなた様が今まさに手に持っておられるスマホの中でも生きているのです。
 
 
 
(※)赤道で大地が東へ動く速度である時速1,675kmの算出根拠:赤道一回りの距離は40,075.017km。地球が1回自転する時間は23時間56分(24時間ではない)すなわち23.93時間。したがって、40,075.017km÷23.93時間=1,674.67・・・km/h。小数点以下四捨五入。ネットで探すと、えらい不正確な数字しかなかったので自分で計算しました。あと1日は24時間ですが、自転速度は23時間56分です。1回転してさらに4分間回ってようやく1日になります。なぜなら地球は太陽の周りを公転してるので1日たつと地球と太陽との相対的位置関係が変わってしまう。その分を埋めるため、1回転した後さらに4分間(より正確には3分56.55秒)ぶん余計に回る必要がある。
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